まさわ

ノマドランドのまさわのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.8
採掘場閉鎖で街が丸ごと消滅する(郵便番号もなくなるほどに)というアメリカの規模の大きさにまず驚く。日本だって軍艦島はあったけど離島だし、陸続きなのにいっぺんにひとがいなくなるのかという驚き。
定住しない生活は過酷な自然と対峙することでもあるし、体力を使う日雇い労働でしか賃金を得られないなど生活は厳しいが、登場するノマド生活者が白人ばかりで、その移動が可能であることにさえ特権があるのだなと感じる。有色人種がふらふらと移動してたなら不当な逮捕や暴力に見舞われそうだし…
家族やコミュニティの絆が大好きなアメリカ映画にあって、こういう西部劇の「はぐれ者」みたいな役はずっと男性だっただろう。女性のはぐれ者を描いた作品が評価されたことは意義深い。フランシス・マクドーマンドが体現する、知的で孤独に身を置いても失われない真っ当さに支えられてるのだと感じる。
まさわ

まさわ