サトタカ

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のサトタカのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ずいぶん昔の話で恐縮だけど、スパイク・リーの「ドゥ・ザ・ライト・シング」でパブリックエネミーのファンになり、それから数年ラップを聴きまくっていた。PEのライブに行ったら、ステージ上の迷彩服着た黒人がライフル・ドリルみたいなことしつつ客席に銃口を向けたりして、モデルガンとわかっていても怖かった思い出。
黒人差別問題に興味を持つとKKK、マーチン・ルーサー・キング牧師やマルコムX、そしてブラックパンサー党などなどをほんのり知ることになるわけで、それがらみの映画は観るようにしてきた。

ブラックパンサー党は、武力に頼ったかなり過激な集団というイメージだったが、この映画では無料で朝食を配ったり、警察への攻撃は控える(口撃は強い)などそこそこまともな若い黒人達として描かれていた。
トレードマークの黒いベレー帽に革ジャン、サングラス、女性のカーリーヘアなどビジュアルがイケてて素晴らしい。
イリノイ州支部長、フレッド・ハンプトン(ダニエル・カルーヤ)は21歳で亡くなったのね、相当早熟な天才肌だったんだろうね。
彼の恋人デボラを演じたドミニク・フィッシュバックはいい面構えでいかにも演技派という感じ。
裏切り者のビル・オニール役のラキース・スタンフィールドも揺れ動く心情の表現がうまかった。最後に本物のビデオが出てきた上、悲惨な情報を知らされ悲しくなる。

FBIの特別捜査役のジェシー・プレモンスは「ザ・マスター」もブラックミラーの「宇宙船カリスタ—号」も「ブレイキング・バッド」での役も最高に好き。マット・デイモンに似てるとこも好き。
サトタカ

サトタカ