GT

ニューオーダーのGTのネタバレレビュー・内容・結末

ニューオーダー(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

格差が限界まで広がった結果暴動が起きて国が崩壊したメキシコが舞台のディストピア映画。「ジョーカー」のような派手さはあまりないが、全体的に極めて不穏で緊張感のある空気が漂う映画だ。ディストピア描写が非常に生々しく、物が散乱する道路に軍が至る所に銃を構え、拡声器で政府の声が宣伝されるその様子は、かつてどこかであったかもしくは今起こっている光景そのものという感じがして、背筋が寒くなる。一方で軍は金持ちを誘拐して身代金を要求するという金稼ぎをやっており、主人公であるマリアンもその犠牲になる。金をもらったあとは銃殺されるだけであり、マリアンも何の救いもないまま射殺される。彼女の救出に尽力していた使用人も無実の罪を着せられて殺害されるというなんとも惨い結末。エンディングの小太鼓の乾いた連打で、どっと虚脱感が押し寄せてくる。
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