千年女優

AWAKEの千年女優のレビュー・感想・評価

AWAKE(2019年製作の映画)
2.5
幼い頃から将棋に親しむ青年で、プロの登竜門「奨励会」に入会するも同期の浅川陸との差を痛感して将棋棋士の夢を断念した清田英一。大学へ入学するも無気力な日々を過ごす彼が、コンピュータ将棋の存在を知ってその魅力に心奪われ、自らソフト「AWAKE」を開発してプロvsソフトの棋戦で再び浅川と相まみえる様を描くドラマ映画です。

00年代半ばから飛躍的に進歩した将棋ソフトをプロと対戦させるドワンゴ主催の将棋電王戦でFINALと銘打たれた五番勝負にて物議を呼んだ第五局「阿久津主税八段vsAWAKE」を原案にした作品で、MV監督出身の山田篤宏が練り上げた企画が木下グループ新人監督賞を受賞。吉沢亮の主演で制作されて本作で商業映画監督処女作となりました。

バグを突く「ハメ手」に棋士の存在意義を問うた開発者へ賛否が飛んだ一局。最もスリリングなその瞬間なしの陳腐な青春物語への改変は悪手そのもので、現実には直後にソフト不正使用疑惑騒動で揺れ、天才少年の誕生に助けられた棋界。臭いものにフタをして停滞するヒトをよそに、ソフトとかつての少年は日進月歩の進歩を遂げています。
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