mさん

ノンストップのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

ノンストップ(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

飛行機に凄腕の諜報員が乗ってて、それを捕まえるために敵が乗り込んでくる。
一見怪しそうに見えるターゲットは全くの別人で、実はその辺にいそうな主役ママがその凄腕ターゲットだったという導入は大好き。
あのママの最初のアクションの流れやタイミングはバッチリ。

あと全体的にカメラワークが自然でみやすかったし、照明も含めてしっかり飽きない画作りになってた。

ただどうしてもこういうハイジャックとかサスペンスな話だと緊張感を求めてしまって、少しでもリアルじゃなかったりとか、敵側が間抜けだったり、味方側が余裕ある行動ばかり取るとかいう描写が出ると少し心が離れてしまう。この作品は導入はめっちゃ好きだけど、ハイジャックされてからちょくちょく不必要なギャクだったり、好きになれない演出があって、だけどめっちゃアクション凄くて、みやすくてっていう部分もあって、最終的にかもなく不可もなくになった印象。

気になった部分

夫婦の感動話を聞いて、中国語が喋れない部下が泣くというシーンで、普通に顔の涙を手で拭いてたりして、それなら何のために縛ってあるのかと思った。緊張感がなくなる。

大声で過剰にうるさく喋るキャラが多い。
まずスパイに憧れるCA。通信機も持ってるというキャラがそもそも非現実的。更に通信機が思ったほど活躍しないという。通気口の上をはったり、荷物用具のところでこけるのとかは好きだった。多分こっちがもう理解してることを大声で長くリアクションするから気持ちが冷めちゃったのかも、「えぇーお母さんスパイなんですか?」という驚きや「やった!敵を倒した!」という喜びが全て長い。もうわかったよとなってしまう。

お父さんもハッカーの仕事する描写はいいんだけど、めちゃめちゃ嫁のことになるとめんどくさい人になって嫌だった。おじさんにもめちゃめちゃ話し出すし、あのキャラは笑えないしちょっと嫌だなと思ってしまった。最後までネチネチ言ってるし、ハワイの旅行は全部仕組んだものというのもよくわからなかった。

あと敵の部下が間抜けで緊張感がなくなった。
シリアスにしすぎるとコメディが入れられなくなるから仕方がないんだけどね…

夫が焼き鳥屋の妻に一目惚れする馴れ初めの回想にて。スローモーションで美人なメイクで過剰に妻側を素晴らしく演出するんだけど、そんなことしないで、飾らない素朴な良さとかで一目惚れしたんだと言って欲しかった。彼の一目惚れフィルターを通したのなら正確かもしれないけど、ちょっと合わなかった。別のアニメ映画「バブル」のアップの時だけ綺麗に見えるあの演出を思い出した。

8000フィートと8000マンウォンのカットバックはわかるけどあんまり効果ない気がした。

好きだった部分

飛行機の通路だったり、限定された武器と空間であそこまでスタイリッシュにアクションを見せられる。撮れるのが凄いと思った。アクションは全てよかった。

娘の無邪気な演技が素晴らしい。回想でお母さんに無邪気に笑いかける表情とかが、あれは本当に1回限りの表情がしてすごく良かった。アクション俳優を母親だと言ったりする部分は流石に頭の回転よすぎと思ったけど。

アクション女優が缶を投げるシーン。
夢や希望を与えてきたアクションだけど、実はスタントマンがメインで自分はアクションができない。だけど純粋に憧れてる娘からヒーローのように尊敬の眼差しを向けられて悩む。だけど、終盤敵に向かって缶を投げることで、「行動を起こす」というアクションを見せるのはなんかよかった。だけど地味だから思い切って敵と戦って欲しかった。そういう部分のリアリティは守ってるのがちょっとアンバランス。娘が人質に取られるとかいう展開がきっかけで覚醒して、めちゃめちゃ敵をボコボコにして、娘からありがとうやっぱヒーローだねと言われるみたいな展開が欲しかった。
mさん

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