iPhoneでデイミアン・チャゼルが撮った「縦長の」短編。スタントマンが色んな映画に入って行くストーリーで、過去の名作を縦の構図を強調した形でパロディ化している。
「縦の構図の映画と言えば?」大喜利とも言え、この監督らしい露骨な古典映画へのリスペクトが楽しめる。北北西に進路を取れの名シーンも、iPhoneで撮るとこうなるのかと。
動きだけじゃなくて、フォードの捜索者のドアの長方形をどーんと持ってくるのも楽しいし、そこからマカロニウエスタンに繋がるが、レオーネ的なワイドな遠景じゃなくて、真下へ向けた銃など、縦長を生かした形で決闘を捉えている。
廊下で男女が互いに振り返るシーンは、あとちょっと画面が横に長ければ目線が合ったはず。縦だけじゃなく、横の制限もドラマに組み込んでいる。
「縦の動きの古典」として、キートンの探偵学入門の、駐車場のバーの落下が入ってたのも嬉しいチョイスだった。YouTubeでサクッと見られるのでぜひぜひ。76点。