爆裂BOX

デス・オブ・ミーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

デス・オブ・ミー(2020年製作の映画)
3.0
「SAW」シリーズや「マザーズ・デイ」のダーレン・リン・バウズマン監督がマギーQ主演で贈る土着ホラーです。
タイの離島を訪れたクリスティンとニールの夫婦は、泥酔して記憶をなくして目覚め、パスポートもなくなっており島から出られなくなってしまう。ニールの携帯にあった動画を再生してみると、飲み屋で冬眠に進められるまま怪しげな飲み物を飲んだ後に、クリスティンを殺すニールの姿が映っていたというストーリーです。
冒頭の夫に殺されて埋められる自分の姿が映った動画を見て「どういう事!」と叫ぶクリスティンに合わせてタイトルが出る所はカッコよかったですね。この冒頭はこれからどうなるのかと引き込ませてくれます。
そこから島からの脱出手段や自分達を襲った謎などを島を巡りながら探っていきますが、クリスティンは泥を吐いて急激に体調が悪くなったり、急に姿を消して目と口を縫われた女たちに囲まれる幻覚に襲われるなどします。基本的にこの繰り返しで進んでいくので、中盤位で飽きてきちゃうんですよね。ストーリーにまとまりがない感じで進んでいくので。中盤過ぎくらいでクリスティン一人になって、味方もほぼいない中で島から出られなくなる孤立感はいい感じですが、でもやっぱり幻覚見て翻弄されてとやってる事は同じなんですよね。
「200年間台風が襲わない島」や「この島に来たことで難病が治った女性」等の要素からわかる様にこの島に伝わる生贄の儀式の標的に選ばれた「ウィッカーマン」や「ミッドサマー」のような土着宗教ホラーです。ニールが「ウィッカーマンみたいだ」って台詞言ったりするんで意識してるようですが、それらと比べると薄味に感じるかな。隊が舞台何で土着呪術感は感じますが。仮面を被って練り歩くお祭りや、住民達が目の笑ってない笑顔でこちらを見つめる所の不気味さは良かったですね。
島民の女性がくれたペンダントは呪いの品かと思ったらむしろ彼女を現世に引き留めてくれる物だったんですね。主人公が死んでいるのを最初の方に示すのは新し目と言えるかな。
マギーQは全編ホットパンツ姿で頑張っていました。ニール役はクリヘムのお兄さんのルーク・ヘムズワースでした。主人公達に協力してくれる女性役で「セーラ 少女覚醒」や「ヴァチカンのエクソシスト」のアレックス・エソーが出演してます。
ダーレン・リン・バウズマン監督作としてはグロ描写は控えめですね。ニールが切腹して内蔵引き出す所と終盤でクリスティンが片目縫われる所の二か所くらいかな。目縫われる所は痛々しくて良かったですね。
生贄にされて終わりと思いきや、ニールの呼びかけで覚醒する所は良かったですね。結局生贄捧げなかったからああなりましたが、何の神を信仰して生贄を捧げていたんだろう?
ラストの後、クリスティンはあのペンダントつけたまま生と死の狭間で生き続ける存在になるんだろうか?
「ウィッカーマン」のような土着宗教ホラーとしては普通でイマイチパッとしない作品だったかな。