Jun潤

ザ・ファブル 殺さない殺し屋のJun潤のレビュー・感想・評価

4.1
2021.06.20

ヤングマガジンにて第二部連載開始予定の同名漫画実写化シリーズの2作目。
江口カン監督、岡田准一主演は変わらず、脚本が「サイレント・トーキョー」の山浦雅大。
ファイトコレオグラファーは前作では一部だったのが、今作では全てを岡田准一が担う。

大阪で普通の暮らしを続けていたファブルこと佐藤明。
そんなある日、かつて救った少女と標的だった男に遭遇する。
その因縁は、前作を上回る超スペクタクルバトルへと繋がる!!

前作から間を開けずに観たので、設定はそのままに、今作での敵組織の動向や味方側のやり取りがスルッと入ってきました。

今作の敵側には堤真一、安藤政信、そして平手友梨奈。
堤演じるウツボは小物感と大物ぶりな態度が共存するなかなかにクセの強いワル、
安藤演じるスズキは待遇こそ不遇なものの、その力強い眼差しからなんとも頼れるアニキ感が漂っていました。
そして平手演じるヒナコ、セリフからは後先考えない幼さを、表情からは仇を前にした悔しさと悲しみと怒りを感じましたし、身振り手振りからはちゃんと足の不自由さも感じられました。

味方側についても、ギャグについてはまぁ多少の寒さを感じますが、それぞれのキャラについては把握できていましたし、前作の描写を改めて回収していたり、前作で足りていなかった妹のアクションや能力についても触れていて満足感高めでした。

あとはまあ今作は何と言ってももうアクションでしょうね。
冒頭の暴走カースタントに始まり、団地を舞台に廊下、部屋、棟の間、ベランダ、工場用の足場とそこら中で乱戦乱戦大乱戦のアクション祭!
これはテンション上がりすぎて呼吸を忘れさせますね。
邦画あるあるな予告で全部使い切っているということもなく、それ以上のシーンもありましたが、今作については劇場で観るしかあの迫力は味わえないでしょうね…。
あのアクションの凄さを書き表せない語彙力の無さを恨みますわ…。

ほぼ満点の満足度でしたが、前作で結構好きだった岡田准一の殺さないように戸惑う身振りの演技が好きだったのに今作では無かったのが残念だったのと、
ウツボがやっている商売が一体なんなのか、彼の目的はなんだったのか、が伝わってこないのは割と致命的だなと思いました。
まぁあのアクションシーンがあればもはや気になりませんが。笑

「砕け散るところを見せてあげる」ではその片鱗しか見られなかった堤真一の怪演が今作ではピッカピカに光っていましたし、「SP」シリーズなどで共演経験のある岡田准一との対面シーンはニヤリとしますね。

ラストは何やら意味深なカット。
続編への布石なのか、なにかとんちを効かせた仕組みがあったのか、一瞬だったのでわかりませんでした。笑
Jun潤

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