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メトロポリス 完全復元版のLEONkeiのレビュー・感想・評価

メトロポリス 完全復元版(1926年製作の映画)
3.5
遥か昔に『メトロポリス』を初めて観て感心し、その後に色彩加工とロックを融合させた『メトロポリス〈ジョルジオ・モロダー版〉』が斬新で複雑な気持ちに。

いずれも公開当時のオリジナルではないと分かっていたものの、ゴシック調の建造物や魔物の様な機械群など革新的な映像とスケールの大きさに度肝を抜かされた。

狂喜乱舞するアンドロイド・マリアを喰い入るように見る上流階級の紳士達の顔つきは、魔女に取り憑かれたかのようで悍ましい恐怖。


それまで失われていた撮影のみで未編集のフィルムを2008年にブエノスアイレスの映画博物館で発見され、これまでの映像に追加編集され約150分の完全復元版が2010年に公開。

1926年の完成から幾度となく編集を繰り返し様々なバージョンで公開されて来たが、この完全復元版ではフィルムの状態が悪いものの未公開映像が収められている。


SF映画の原点にして頂点と言われる『メトロポリス』は近未来都市を舞台に邁進する産業革命と資本主義と共産主義の対立を描くディストピア、この完全復元版は上流階級のフレーダーと労働者階級のマリアの愛の深さが色濃く出てる印象..★,
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