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水俣曼荼羅のmeraのレビュー・感想・評価

水俣曼荼羅(2020年製作の映画)
4.5
長さにひるまず、気になっている人は、映画館へぜひ足を運んでほしい映画でした。ドキュメンタリーなので、誰かの話をずっと聞かせてもらっている感じで、ぜんぜん飽きなかったです。

知らない世界を知っている人たちが、その世界の話をしてくれて、話がおもしろいと、何時間でも聞いていたくなりますよね。語り手もたくさん出てくるし、時間があっという間で、なんなら、もっと長くても、原監督が編集してくださるなら、「もっと話を聞きたい!」「このあとどうなったのか知りたい!」という感じで、ずーっと観ていられると思いました。

語られるお話や、映像は、心に深く残るものでした。突然放り込まれた水俣病という修羅の世界で闘い続け、ときには笑って、懸命に生きざるを得なかった人たちの人生(いまも続いてる)を思うと、言葉もありません…

研究者の先生方や、弁護士さん、介助している方たちや、支援者など、力強く水俣の問題に取り組んでいる方たちのエピソードも、それぞれの人生が垣間見えて、胸を打たれました。

ときどき、笑っちゃうおかしみのあるエピソードやお話も出てくるので、映画館のなかで何度も控えめな笑い声が聞こえていました。

そして、水俣病の問題を通して、日本の問題があぶり出されていました。水俣の問題は、いまの社会問題に全部通じていて、結局、日本って、国として、弱い人や困っている人を助けるつもりが徹底的にない、非人間的な国なんだな…、一番大事なのは常に国民ではないんだな…ということがビシバシ伝わってきて、国として終わっているなーって…😇

まともなのは、みんな個人でした。すばらしい個人はたくさんいるのに、国がひどい。怒り心頭😇💢

微力ながら、必ず選挙にいって、気軽にまわりと政治の話をして、署名して、こういう志のある映画を観に行って、声をあげ続けなければと。

勉強不足で水俣病のことをよく知らなかったので、私にとっては、観ると世界が変わってみえるタイプの、すばらしい映画体験でした。ありがとうございました。

渋谷のシアター・イメージフォーラムで観ましたが、シートの背が高いタイプのイスで首もあずけられるし、クッションも悪くないし、前のイスの背に荷物をかけられるフックもあって、ドリンクホルダーもあって、快適でした。トイレは地下と一階にあるので、全員休憩時間中にあわてず行けると思います。女性用はそれぞれ個室2つで計4つ。

休憩が20分×2回あるので近くのコンビニ(ファミマとセブン)へ買い物も行けるし、映画館のイスで黙食もできました。ほんとうに、観はじめると、長さを感じませんでした。

客層も老若男女バラバラで、良かったです。年齢や性別がどうであれ、この映画を観に来ているだけで同志!という気がしました。笑
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