このレビューはネタバレを含みます
グラシネ12、ベスポジで。点数は映像に。
うーん、途中から、『イニシェリン島の精霊』を観た時と同じ気持ちになった。悪い意味での「男」の話。
戦争をする男たちの嫉妬やプライドの物語。女には関係ないところで繰り広げられ、女は選択肢も与えられないまま犠牲になる。
戦争するのってほんとに男だけ。
途中から、もう付き合いきれん…と思ったけど、放っておくと(放っておいたわけではないけど)、日本に原爆が落とされる始末になるのだ、という歴史を私たちは生きているので、ほんとに暗澹たる気持ちになる。
結局、日本の愚かな上層部が男の意地とプライドで負けを認めず、国民を蔑ろにし続けて降伏しなかったからこうなったわけで、いまの日本もどんどんこのころに近づいていて、恐ろしい。犠牲になるのは一般市民。日本はずっと棄民政策。
私たちが選挙に行って権利を行使しないと、やがてまたこうなる。もうなりつつある…
ノーラン映画なのでグラシネで観るのを楽しみにしていましたが、扱っているのが原爆で、その扱い方も不満が残る内容で(オッペンハイマーの話だから仕方ないけど)、観終わって良い映画だった、とは言えなかった。強い映画だけど、おもしろかったとも言えない。私はダメでした。
イニシェリン島は男二人の戦争だったから被害も島の中で終わってたけど、これが国同士になると被害が甚大すぎる。でもやってることは同じ。男の映画ってみんな似てる。戦争、暴力、意地、プライド、破壊。その結果の広島長崎。棄民政策の結果。ひどすぎて言葉もない…