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シャザム!~神々の怒り〜のTKEのネタバレレビュー・内容・結末

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

DCコミックヒーロー「シャザム」の2作目。前作はいかにしてシャザムが誕生したか…という部分と、突如強大なパワーを手にしてしまった少年の成長物語、といった点がクローズアップされたイメージでしたが、今作はきちんとヒーロー映画してます。
ただ、超パワー持ったヒーローが6人いたらそうなるよね…という感じも否めませんでした。

前作はきちんと見たほうがよろしいと思います。


以下、ネタバレ。

前作のヴィランの力の源であった杖をへし折ってその場に放置して帰ったら、その杖は魔力を奪われた神々の封印装置だったことが発覚。
つまり、杖を折ったことで封印された神の一部が激怒して人間界にやってきてしまう。それが今作のヴィランの「アトラスの三姉妹」

三姉妹の目的は主に「奪われた魔力を取り返す」「生命の樹の実を入手して神の国を復興させる」という事だったようで、魔術師シャザムに勇者として力を与えられたビリー達と戰うことになる。



相変わらず暗いイメージのDCコミック世界においてはユーモアに溢れており、前作の「子供ながらに大人の姿と超パワーを持ってしまったがために悪戦苦闘する」というギャップこそ無くなってしまったものの、思春期特有の子供じみた行動だったり、あまりにも浮世離れしてる三姉妹のボケ方だったりと、クスッと笑えるところは多い。

ところが、序盤、無差別に石像化される人々だったり、フレディの恩師が有無を言わさず殺されたりと、結構トラウマになりがちなシーンも多々ある。

今作は、作品全体を通しての緩急のギャップが激しいという感じでした。


物語としては二転三転する上に、説明不足の部分も多く、即座に理解できないことも多いです。
特に前作で消滅したはずの魔術師が何の説明もなく幽閉されていたり、最重要キーアイテムがポンと置かれていたりと、話を進めるために都合よく展開されている感が否めなくて、そこが気になってしまうと一気に萎えてしまいました。


6人の勇者も作中にて次々と、しかもあっさりと力を奪われてしまい、それぞれの個性を活かせる場面があまり多くなかったのが残念。

今作にて「シャザム(SHAZAN)」が神の名前の頭文字で、各能力振り分けられているということが判明したのに、ひたすら「ソロモンの知恵」だけがイジられたのが不憫すぎました。
まあ、その悪ノリがシャザムのいいところでもあるのだと思いますが。


全体的に無難にまとまっている感はあるのですが、逆に「うぉおぉっ!」となるシーンはあまり多くないように感じました。

三姉妹の三女であるアンテアの軸の魔法は映像的にも能力的にも凄いと思いましたが、似たようなことをすでにドクター・ストレンジで散々見てしまっていたのが非常に残念。

ただ、この三姉妹のキャスティングは見事で、長女のヘレン・ミレン、次女のルーシー・リュー、三女のレイチェル・ゼグラーとベテランから新鋭まで豪華絢爛です。

特に個人的にはヘレン・ミレンの格闘シーンが今作の中で1番の燃えどころでした。ボコボコにされるヘレンなんてレアすぎるでしょ。

逆に最後のユニコーンのくだりは個人的には完全に蛇足。それをやるならもっと前から前フリをきちんとしておいて欲しかったです。


総じて、大傑作!とまでいかなくとも普通に面白い作品にはなっていると思います。

ところで、最後のイモムシ君は4年前(作中では2年前)に意味深なこと言って期待させときながら今回なんにも無かったんですけど、次こそ活躍するのかな?
ここから2年たったら主人公のビリーは20歳になっちゃうから、もはや少年じゃなくなっちゃうけど、作品的には大丈夫なんでしょうか…?
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