最近流行りのマルチバースものとしては一番好きだった。
ザック・スナイダーが集めたキャストは「人生の時間は有限で、良いときも悪いときもある」という当たり前の事実がヒーロー映画のヒーローにもあるんだ、というのを実感させてくれて好きなのだがここへきて『バットマンが草臥れた中年男』というのがとても生きているなと思った。
ブルース・ウェインもバリー・アレンも両親を人生から奪われた人間だが、やりたい事やるべき事やってはいけない事避けて通れない事、こういったものへの認識の違いが大人と子供のそれにも等しかった。基本的にDCのヒーローの動機は子供の正義感なんだなー。親を救いたい！取り戻したい！みたいな。強権を振るう親側では絶対に無い。
彼ら彼女らが自身の経験を通して大切なものを失ったりして、大人になる。そして誰かのメンターになる。そういうものがずっと続いているところが良い。
今作は、制作側の都合に振り回された部分を逆手に取って上手く物語に落とし込んだうえで主人公の、ヒーローの、成長モノという基本を崩していないところがとても良かった。予習がなくても楽しめる単独作としての完成度も良い。
試写会ではポスクレもエンドクレジットもないバージョンだったので完成版では違うかもしれないけど。
あとは単純にマイケル・キートンが渋すぎ！！サッシャ・カジェ格好良すぎ！！
