三樹夫

ザ・フラッシュの三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

スピードがもの凄い速いヒーローが主役程度で前知識はほぼなし、どんなストーリーかもわからん、役者は誰が出てるかもわからんぐらいの両手ぶらり戦法で観に行ったが、思ってもみない展開だったので楽しかった。思ってもみない展開といっても、何とか過去を変えようとするもできないというループものの定石だし、過去に演じた役者集合も『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』的マルチバース演出だしで、凄い新しいかと言われればそういうわけでもないが、フラッシュがヴィランを倒す話かと思っていたらループものだったし、マイケル・キートン出てきてDC版マルチバースなんだとわかるというので、そういう所で予想を裏切られて観ていて面白かった。後、この映画のスーパーガールはマジでカッコよ。
ストーリー自体はほんとに王道のループもの。過去を修正して誰かを救おうと何回もループするも上手くいかずに涙を誘うほろ苦い結末ってザ・ループものって感じ。一時期、シュタゲとかが流行った2011年12年らへんはループものがやたらネットで話題に上がってたが、『パーム・スプリングス』とか『サマータイムレンダ』とか、それ以降も定期的にループものは作られてるし根強いジャンルだなと思う。あまり映画やアニメの数観てない時にループものを観ると過度に持ち上げちゃうあるあるが、ループもの=とてつもなく面白いの幻想に寄与している部分もあると思うが。

『バットマン』と『バットマン リターンズ』でブルース・ウェインを演じたマイケル・キートンや、最後出てきたブルース・ウェインが『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』でブルース・ウェインを演じたジョージ・クルーニー、クリストファー・リーヴが演じたスーパーマンなど、結構昔のDC映画の小ネタが散りばめられている。フラッシュが過去に行って過去を変えようとするのも、78年版『スーパーマン』のラストで地球の周りをグルグル飛んで逆に回転させて時間を戻すのを想起するし、ニコケイがスーパーマンになってる世界線も90年代後半にポシャったニコケイ主演スーパーマンの企画が元ネタだしで、小ネタの引っ張り元が昔のが多くて正直おっさん接待臭が。後、ベンアフブルース・ウェインからMr.フリーズブルース・ウェインに変わったのはあんな軽い雰囲気で済ませていいんか。ベンアフブルース・ウェインは死んだようなもんじゃん。元いた世界線に影響が出たらいかんでしょ。主人公は父親が例えば金子信雄に変わってたら絶対あんな軽い感じではおれんやろ。
この映画はちょくちょく指摘されているがCGが気になるところある。最後のVSゾッド将軍軍団の背景の平原とか。後、フラッシュが高速移動するときに背景がグニューっと伸びるのは全然いいんだけど、足の動きが高速移動してる感がない。高速移動の表現においては残像にしたりとか色々あるけど、『Mr.インクレディブル』のダッシュとか十傑集走りみたいに足をシャカシャカするのが正解な気がしてきた。
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