オプティマス

ベイビー・ブローカーのオプティマスのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.7
是枝監督の独特な家族像を描いたファミリームービー。ストーリー展開よりもキャラクターをじっくりじっくり映した人間ドラマであり、今までの作品同様素晴らしいと感じました。キャラクターの裏の感情を映像で映し出すシーンが多く、生々しくも見えました。
赤ちゃんを売るために奮闘しますが、長ければ長いほど赤ちゃんに愛着が湧いてきているのが見て取れます。
好きなキャラクターだとソヨンが良かったです。ソヨンが赤ちゃんを手放したのにも関わらず後半のシーンではこのままみんなと一緒に育ててもいいかもしれないと思っているような雰囲気が芽生え、少しずつ母親となっていく様子が映されていました。本編が進むにつれブローカー2人の目的も金から赤ちゃんへと変わっていきました。短い時間でありながら赤ちゃんを含めた5人は家族になっていきます。親子は血縁関係などではなく、時間と愛情であるというメッセージも込められているのではと思いました。

是枝監督は家族をテーマにした作品を何度も作りますが、同じテーマでありながら全く違う関係を作るのが上手だなと思います。