ねぎおSTOPWAR

ベイビー・ブローカーのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.0
《追記》
いやーもう何度放っておこうと思ったことか。でも書いておきます。
「万引き家族」の時もいましたね、「万引きする人たちが・・」論を言う人。また出て来ましたw 「子供売る人たちが家族とか何事?」だってw
あのー、犯罪者は悪人である必要があって、駆逐されるべきという方々ってニューシネマ否定論者さん??「明日に向かって撃て」や「イージーライダー」「ゴッドファーザー」ってダメなの?
ヒーローものって、ヒーロー側が邪悪だとするものを殺害するわけですよね。映画観る人々はそこに描かれる事象を通して、製作者が本来伝えたいことを汲み取るものだと思っていましたがね・・
なんだか世の中変なことになって来たように思います。トンデモ人はよーく考えて欲しいです。
《追記終わり》



是枝節は顕在‼️
本当にそこは良かったと思います‼️

では韓国映画として・・
韓国国民がこれをどう評価するのかはとても興味があるところ。
わたしも実際韓国映画のアイデンティティを再認識しました。
韓国映画とはほぼイコールエンタテインメント性ですよね。で、是枝さんにはそれが決定的に欠けている。いや!是枝さんの考えるエンタメは韓国映画のエンタメと一致しないと言った方が適当でしょうか。

是枝さん作品を、「真実」も含めて大好きな人間としては今作素晴らしかったと思います。

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「バニシング」でも書きましたけど、いまは韓国映画の岐路。更なる発展へと向かううねりだとして、是枝さんパワーさえ韓国映画業界は吸収していくんでしょうね。

あらためて浮き彫りとなった日韓の感性の相違・・もちろん一致するところが多いかもしれない中、ここをどう処理するんだろう。「はちどり」も静かな作品だったけど、それ以上に激情を抑えた映画。誰も怒鳴らないし取り乱さない・・この内面の葛藤は是枝さんの十八番だけど、伝わるんだろうか?伝わると思いたい。

カンヌは中立だからこそ、「万引き家族」「パラサイト」両者を評価しました。
とても意義深いと思います。今作。

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本編。
やっぱり是枝さんだけに、噛めば噛むほどに味が出てきます。
割とはっきり示唆してたように思いますが、ペ・ドゥナ演じる刑事の夫婦って・・。
あの死んだ男の夫婦って・・。
家族の絆・・を守ろうとすると、何故人を殺すことになるんだろう。それが人間。それこそが戦争の理屈ですけどね。

彼女はいつウソンを迎えにいくんだろう。いつ会いに行くんだろう。

〈379〉