このレビューはネタバレを含みます
是枝監督のテーマは一貫している。何回撮っても、終わることがないんだろうと思う。
現実では今日も遺棄のニュース。こうなる前に助けられなかったのか、とか、母親だけの責任で子の父親は罪がないのかよ、とか。
劇中のセリフでも細かく拾われており、誰も絶望させたくないんだという意識が伝わる。
重いテーマだけどかなり見やすい。ベタだと言う人もいるだろうが、おそらく届けたい人達を置いていかないために。
「生まれてきてくれてありがとう」が、監督が本当に「みんな」に言いたい事なんだとわかる。信頼してる人がこれを言ってくれることの重大さったらないから。
ソン・ガンホもペ・ドゥナも全員良かったけど、ヘジン役の子が良すぎ。ポスターに出てないけどかなりのキーパーソン。
洗車のシーン、びしょ濡れの助手席で笑ってるのが最高だぁ…と思っていたら、観覧車のシーンで「洗車」とつぶやくところに繋がってて泣きそうになった。
ウソン役の赤ちゃんも、演技指導できるはずないのにめちゃくちゃいい表情と動きなんです…これ撮れるの凄すぎるな…
是枝監督にかかると本当に実在感のある映像になるから魔法みたい。
韓国映画感も随所にあって新鮮だった。
(一番いいシーンで着信音が響き渡った、こんなことあるんだね。。静かな環境で見直したい)