相変わらずのセンシティブなテーマっぽいので、いろいろ覚悟しながら観ていたのですが、思いの外やさしい結末。
荒んでしまっているのは自分のこころか、と反省しつつほっとしつつ、じんわりと泣かされました。
拾うだけが愛じゃなく、愛すればこそ捨てるしかないことがある。
めいっぱい愛していて、愛しているのに愛していることを伝られないことがある。どうしたって届けられないことがある。
控え目にいって、この世は地獄だから。
だけどそれは本当にもう届けられないものなんでしょうか。世界を見回し、他人の言葉に耳を傾ければ、まだなにか方法はあるんじゃないでしょうか。
生きてさえいれば、取り返しのつかないことなんて、この世にはなにひとつないと思いたい。
ペ・ドゥナの立ち位置が絶妙。
コメディ要員と思わせておきながら、どこか対岸の火事だと思ってる自分たちの認識を体現してるような気がして、もってかれました。
社会的には定義しようのない、名前のないあの集団から、なにが正しいのかを学んでゆく姿に否応なくシンクロしてしまうのですな。