最高のヨルゴス・ランティモス~~!
クラシックの使い方、カメラアングル、ショットの潔さ、全てが最高。12分の短さで、これだけ映画的体験をさせてくれる監督もそうそういないだろう。
「Nimic」という原題の通り、「何者でもない」ことを突きつけられる。
「Do you have the time?」という非常にありきたりな文句をきっかけに、自分が本質的に「代替可能である」ことを思い知らされる。
そしてそれは、自分が誰かを代替しても良いのだ、という大衆の攻撃性に繋がる。
タイトルやエンドロールで1文字消えても読めてしまう(寺山修司や宮沢賢治的にはネオンサインのひとつの電球が消えても全体は問題がない)ことすらも、テーマに加担させてしまうあたり、さすが……としか言いようがない。
とっても面白かった