20世紀初頭を舞台にしたシオドマクのミステリー。46年作品なのに立派な美術。
冒頭を除いて、舞台はほぼ主人公の働くお屋敷。このセットが大きくて、いくつかの部分が実際につながっている。
廊下から広い部屋に入っていったり、廊下から電話のある部屋へ行ったりするのが長回しで撮影されている。終盤でもこのセットが迫力を生む(一方で普通のカット割は、かなり原始的な感じ)。
前半はほのぼのコミカルな感じだけど、登場人物に魅力があって楽しい。後から前半を思い返すと、すごくさりげなく、クライマックスの状況に向かうのが分かる。よくできたお話。そして、なんと言ってもビックリのあのオチ!