予告で「髪はレモン、性格はソーダのような男の子」というどうかした惹句を聞いて「遊ってマーマレードみたい、マーマレードボーイだよ」でお馴染みの怪作映画「マーマレードボーイ」の再来かといてもたってもいられなくなり鑑賞しました。
男なら「筋肉はゴリラ、牙は狼、燃える瞳は原始の炎」くらい言われてほしい物ですが、今は令和の時代、女性と同じく男性も男性らしさからの解放の時代です。
そうしたら金髪でぶっきらぼうでクールな学園一のイケメンながら連絡先を聞くのも告白も一切自分からは動かない超受け身男子の界くんが爆誕しました。
ラウールといえばスペインの至宝の世代なので主演のラウールくんの事は初めて観ましたが演技がちょっとキツいですね。
「オレは石森係だから」とか「オレ空を飛べるんだ」とか「よくできました」などのトンチキなセリフもありましたが狂人たちの晩餐会とも言える「マーマレードボーイ」ほどの狂気は感じませんでしたね。
非常にオーソドックスな恋愛ものでいじめられている地味な女の子の前にイケメンが現れ、恋に落ちて友達もできて、彼の元カノが現れたりすれ違ったり喧嘩したりして夜道をダッシュしたりして結ばれる感じです。
恋愛物は付き合いはじめてからの話が好きなのでバカップル描写は良かったです。
もう少しヒロイン自身の力や魅力でクラスに馴染む描写も欲しかったですね。
ただ男にフックアップされる女性というのは古すぎますし。
おそらく長い原作を圧縮したためか登場人物の気持ちのアップダウンが激しすぎて全員情緒不安定に見えます。
「龍馬伝」で福山雅治の子供時代を演じ、ウルトラマンにもなったりと頑張っている濱田龍臣くんが出ていますが、大きくなったな〜と感慨深かったです。
イケメンになって背も高くなっていますが容姿も演技も福山雅治に似てきています。
個人的には合わない映画でしたが若者向けのスイーツショップに行って「甘すぎる。」と怒っているオッサンの戯言みたいなものだと思ってください。
今内容を思い返してもてもキリンレモンの販促映画だったなという印象しかないです。