ふじぱん

ラブ&モンスターズのふじぱんのレビュー・感想・評価

ラブ&モンスターズ(2020年製作の映画)
4.3
めちゃめちゃ面白いアクションコメディであることがまず大前提です。
ディラン・オブライエンの涙と涎を出しながらの怯え顔は一級品。
モンスター造形も新鮮さもあり、安っぽさは皆無で感動。
このシンプルなタイトルも良いんですよね。

そういった面白さだけじゃなくてもっと深いものも感じた。
人生の縮図のような最高にポジティブな物語。
「殻にこもらずリスクを選び、そこでした失敗こそが成長であり、未来を掴める」

主人公がとことんな負け犬ではなく、
友達はいるし、みんな優しく接してくれるけど、なんとなく見下されているみたいな設定が余計に刺さります。
実は旅の動機となる女性もさりげないセリフなどで、主人公のことを何となく見下してることがわかる。
でもそれは受け入れるべき現実なんですよね。

その中で出会う数々のモンスターは人生における挑戦や試練を表していて、しっかり向き合えばやり過ごせたり、時には頭を使い、強引にでも乗り越えることが必要になる。
仲間の描写も良くて、永遠に共にする存在はいない。どこかではぐれたり、違う道を歩んでいったり。そういう疎遠になってしまった人って多々いますよね。ただそいつらのお陰で今がある。

そういうメッセージを一切の説教臭さなしで、極上のエンターテイメント化出来ており、観賞後にはしっかりそのメッセージが心に残る。
大好きです。
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