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映画 太陽の子のmasayaのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
4.2
原子爆弾の開発に携わった日本の若き研究者たちの物語。人類に幸福をもたらす為の原子力は、そのエネルギーの莫大さゆえに否応なく戦争で使用される。科学者たちは解っていて、開発したのだ。そこに倫理が立ち入る場所はあったか。この問いに明快に答えられる人は居るのだろうか。
大抵の戦争は資源争い、エネルギーの奪い合いで始まる。わずかな原料で莫大なエネルギーを生み出す原子力は、その問題を解決し人類を平和と幸福に導くはずだ。それに気づいた科学者たちは、そのエネルギーを用いる暴力も莫大な威力を持つこともすぐに気づいただろう。
それでも、どのような過程を経たとしても結果は変わらなかっただろうと語られる。原子爆弾の開発、投下。この背筋の寒くなるような結果は、人類が原子力を知ったことによって、どうしても避けられなかったのだと。科学は人間を常に超越する、と
有名俳優とメジャーどころの制作陣。平和ドラマの体裁をとった、科学者の倫理観、ひいては人類の業とでもいうべきテーマを背負った恐るべき映画だった
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