河原タカシ

シカゴ7裁判の河原タカシのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.3
めちゃくちゃ良かった。雑な感想だけど「この映画を観て本当に良かった〜」と思える作品。俳優陣の演技合戦、テンポの良い編集、事実に基づいた丁寧な脚本、これらが見事に掛け合わさって最高の2時間だった。細かい伏線も見事に回収した、今作のラストシーンは今年最高レベルの瞬間と爽快感。あれだけ主役級の俳優を登場させながら全員に満遍なく見せ場を上手に分け、動きを捉えた滑らかなカメラと、スマートな編集で、堅いイメージがある法廷モノを見事にエンタメ化している。ドキュメンタリーという語り口ではなく、時にユーモアも交え、真実を含みながら”映画”という手段によって、今の時代にも共鳴する脚色は来年のオスカーでも注目されること間違いないだろう。こういう事実に基づいた作品は大体映画のラストで、関係者の実際の写真や、現在の様子を描くようなありがちな演出が最近多いが、そういう演出に頼らない姿勢も良かった。アメリカ大統領選挙、BLM問題真っ只中の今最も観るべき傑作の1本。個人的にHBOドラマ『サクセッション』のケンダル役のジェレミー・ストロング(エミー賞おめ!)と、『WAVES』と『ルース・エドガー』のそれぞれの主役を演じているケルヴィン・ハリソン・Jrが出演しているのもポイントが高い理由。てか編集のアラン・ボームガーテン、『チャーリーズ・エンジェル(2019)』の次の仕事が今作かよ、すげー振れ幅!笑
※日本では劇場公開が10/9〜、10/16からNetflixで配信される
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