Lilly

シカゴ7裁判のLillyのネタバレレビュー・内容・結末

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かった!
好みのタイプの映画。
脚本が、とにかく光ってる。
法廷群像劇だけに、登場人物も多い。
事件や人物の背景や相関関係、下手したらダラダラ紹介になりがちな部分を、テンポ良く多面的ショットを加えて流していく手法。
無駄の無い構成。
しかも、当事者の心理描写が必要な箇所は、丁寧に時間を割いて撮影しているから、理解しやすかった。
この' 緩急のメリハリ' !
あと、会話が活力あってヒートアップしていく!

トムヘイデンの知的で論理的な会話と、アビーホフマンの自由奔放で挑発的な物言いとか、
上から目線、上級国民気取り判事の高圧的発言とか、彼らの特徴良くつかんだ言い回しを、台詞に落とし込んでるから、笑えた。

この裁判内で、当時の米国がやっていたことは、現在、香港で自由な発言も許されず法で人権を脅かされそうになっている人々の姿を、連想させてしまうかのようだ。
国家権力は、実に怖い。

法廷で弁護人(代理人)もつけてもらえず、発言さえ出来ず、暴力まで受けたボビーシールの言葉には、泣けた。
「お前達は、同じ祖先の人と戦ってるだろ?俺たちは、違う。もっと別なものに抗っているんだ。」
Are you fighting against people of the same ancestors?
We are different. We’re resisting something else.
Lilly

Lilly