ミナエロイネン

サン・セバスチャンへ、ようこそのミナエロイネンのレビュー・感想・評価

1.5
健康に配慮する死神以外は全く面白くなかった。最後の死神の諧謔はまさにウディアレンを感じる数少ない場面だ。人生を満たすことはできる、労働、家族、愛、くだらないが効果的だ、というセリフはすこぶるよかった。おかえりウディアレン!と最後にようやく思えた。他はおじさんとおばさんのロマンスがだらだらと展開される。毎度お馴染みといえばそうだが、今回は特におじさんの魅力が1ミリもないように感じた。踊る大捜査線の副署長みたいな人のラブロマンスなんていくらウディアレン監督作品でも見たくない。
ウディアレンの新作が出るたびに申し上げているが、ウディアレンは監督脚本そして主演してなんぼだ。出ないとダメ。ウディアレンの作ったセリフはウディアレン本人が言わないとダメなの。ウディアレンが早口で神経質なあの感じで言わないとダメなのよ。
次回作は老探偵役でウディアレンに主演してもらおう。マーロウのウディアレン版。それでオシャレにすっとぼけまくって、依頼人の美人妻に恋したりして、その恋心が老いた配偶者にバレて例の早口神経質な弁解をかましたりしてるうちに、依頼人の美人妻の夫が突然誰かに殺され、その容疑がウディアレンにかけられる。そして、オシャレにすっとぼけながら真犯人を探して見つけてみると依頼人の美人妻が犯人であった。無論それは見逃しつつ、最後に観客に対して(アニーホールの最初のやつ)人生の宝石を散らばめたような美しすぎる語りで終わる、みたいなやつはよ!こういうのみたい!次ね!