千年女優

シャドウ・イン・クラウドの千年女優のレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
3.5
太平洋戦争只中の1943年。米軍婦人補助空軍の下級士官で、機密文書入りの鞄を抱えてサモア行きのB-17爆撃機に乗り込んだモード・ギャレット。女性を理由に蔑む兵士たちにボールターレットへと押し込まれた彼女が、男尊的なクルーや襲い来る日本軍そして雲をうごめく謎の影と対峙しながらたくしく戦う様を描いたアクションホラーです。

ニュージーランド出身のアジア系女性監督でテレビやウェブと幅広く活動するロザンヌ・リャンが長編映画では九年ぶりに監督を務めた作品で、性的暴行を申し立てられたマックス・ランディスの書き上げたドラフト版をアップデートした「戦う女性」の物語を人気者クロエ・グレース・モレッツを盛り立てて完成させて多くの支持を得ました。

飛行機の軍事利用が開始されて航空戦が主流となった第二次世界大戦に原因不明の機械の故障をもたらすと恐れられたモンスター「グレムリン」を描くいかにもなジャンル映画で、低予算で映画としてのルックや展開はトンデモそのもの。それでもそれをやり切る監督の胆力と最強の「ヒットガール」の存在感で退屈させることのない一作です。
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