猫

きまじめ楽隊のぼんやり戦争の猫のレビュー・感想・評価

4.1
感想が両極端に分かれているので
自分で確認したく鑑賞。

面白かったです。
ある意味とても攻撃的な映画。矛先は昭和の戦時中へなのか、これから起こりうる未来へなのか。
“どんな脅威なのか忘れました”
考えることを封印=放棄した部隊や町民。
どうして戦争が始まったのか、何故攻撃しているのか、相手はどんな人達なのか?
考えることを失い、行われるルーチンワーク。昭和の頃の、四角四面のお役所仕事。
何も考えず9-17時迄、砲弾を撃てば叱られない。
ブラスバンドをやってた私は最初の音楽で、すぐ心を取り込まれた。
トランペット、クラリネット…楽隊の存在意味も分からない。何処に所在してるのかも知らない、知らないことにも疑問を持たない。
そして、あの馬鹿馬鹿しい、健康チェック。
子どもはお国のためだと言い切り、何でも忘れる都合のいい演説。(この石橋さんの台詞が体操の音頭に合ってる素晴らしさ!)
ご飯の盛り付けや、竹輪、せんべい……
所々に笑いを交え、言い分を描ききった脚本の素晴らしさ。
川を挟んで合奏するは「美しき青きドナウ」なのも素晴らしい。
監督から
“いいのか?こんな社会でいいのか?こんな社会になるかも知れないぞ”
と挑発されてるように感じました。
まるで舞台を観ているような構成。
緩んだ頭に、届いた衝撃。
もしかしたら
昭和の高度成長の雰囲気を知らない世代には
届かないかもしれないけれど、これは紛れもなく
私たちの話。
多くの方に観ていただきたい作品です。
きたろうさんのコロッと自分の意見を変える姿も、あるあるでした。
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