Shin

サマーフィルムにのってのShinのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.7
はっきり言ってノーマークだったが、このポスタービジュアルから伝わってくるエネルギーに惹かれて鑑賞。タイトルは分かるようでイマイチわからない😊

しかし公式サイトにしろ、あらすじで凛太郎役(金子大地)の秘密を明かしているのはいかがなものか。ネタバレしたくない人はあらすじを読まないことをオススメします。

いやはや序盤からエモさ全開!時代劇オタクで真っ直ぐな映画部の『ハダシ』(伊藤万理華)と、ちょっと大人で頭の良い天文部の『ビート板』(河合優実)、芯が強いがお茶目な剣道部の『ブルーハワイ』(祷キララ)のキャラクターのバランスが良い。それぞれの部活にも意味がある。(アダ名の由来は最後まで説明ナシ。おそらく夏が共通項で、あとは適当に付けたのだろう😄)

演出も素晴らしいし、編集も絶妙で、音響も素敵。ついでにロケ地もはまっている。照明は劇中のチャリの方が気になるが。(笑)

途中まではこれはもう満点だと思っていたが、中盤あたりからストーリーのノッキングが見られた。やはり凛太郎の人物設定に多少の無理があったからではないか。またハダシがシナリオを書く上で、武士の決闘を恋愛になぞらえているところも、やや強引さを感じる。

脚本に粗さも見られるが、それ以上に恋愛と友情、時代劇とSFとラブコメを見事に融合させ、圧巻のラストで昇華させた。ラストシーンの熱量はまるで生の舞台そのもの。サブタイトルの"私たちの青春は傑作だ"のとおり、まさに映画愛に溢れた傑作と言える。

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