さりさり

サマーフィルムにのってのさりさりのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.3
皆さんの多種多様なレビューを拝見していて、ふと思ったことがある。
皆さんがもし映画監督だったら、一体どんな映画を作るんだろうって。

名言が散りばめられたヒューマンドラマ。
奇想天外なドタバタ喜劇。
どんでん返し系サスペンス。
甘く切ない恋愛ドラマ。
難しいこと考えなくていいアクションもの。
シブく男臭い西部劇。
血まみれホラー。
核心をついたショートムービー。
しっとりねっとりピンク映画。etc…。

レビューに個性が現れるように、才能豊かな名作がたくさん生まれるのではないだろうか。

*****

本作は映画部の落ちこぼれ女子高生が、大好きな時代劇を制作する話だ。
時代劇と女子高生とは何とも違和感があるが、好きなものは好き、こればかりは譲れないのだ。
勝新太郎や長谷川一夫の話に夢中になる主人公が可愛くて仕方なかった。

ひとつのことに、がむしゃらになれるって素敵。
これが若さってことなのかな。
挫折したり、悩んだり、でもそれさえもキラキラ輝いてる。
眩しい主人公たちの姿に、めいっぱい元気をもらった。

途中から急にSFっぽい展開になって、あれ? ん? なんか違う、コレ必要か? ってちょっと冷めちゃったんだけど、再びラストの急展開で「あ、やっぱりコレは “あり” だな」と。
予想外のシナリオに、不覚にも涙が出てしまった。
やはり涙なくしては観られないオチが待っていたのだ。
素晴らしい。

*****

え?
私ならどんな映画を作るかって?
ん〜、そうだなぁ。
“ムダに長い長編映画” ? かな? 笑
ははは、きっと誰も観ないでしょうね。笑
さりさり

さりさり