半変人のお調子者

激怒の半変人のお調子者のレビュー・感想・評価

激怒(2022年製作の映画)
4.4
待ちに待った高橋ヨシキさん初監督作!
9月17日、名古屋での公開初日に舞台挨拶&サイン会付きの回をシネマスコーレで鑑賞。

めちゃくちゃ面白かった!!

町のあらゆる所に貼られた「みんなが見てるよ!」のポスター、暴力を振るう事を公に許されると喜んで暴力を振るってしまう人間の醜悪さ、人を人とも思わない思想、などなど、その昔ヨシキさんがラジオで憎しみをぶつけていた、同調圧力やナチ的なヴィジョンが詰め込まれた富士見町が最高に嫌で最高。
おまけにその自警団に子供が混じってたり、虐げられた女性達の中に妊婦がいたり(その父親は…と考えるだけでゾッとする)、という細かい所まで行き届いた嫌な感じが素晴らしいと思った。

個人的に主人公が我慢する系の映画は苦手で「もう怒っていいよ!」と思うタイミングで2、3回くらい主人公が我慢しがちだから「まだ我慢か…」とイライラしてくる事が多いけど、深間さんは1番怒るべきタイミングでちゃんと怒ってくれて良かった。

彼の暴力は凄惨だけど、殺される奴らが悪辣で、「こいつらは殺すしかない!」と心底思わされてから殺されるから心が痛まなくて、親切な設計だなぁと思ってたら、そこで観客が心を痛めないようにちゃんと気を遣ったとヨシキさんが舞台挨拶で語っていて、「流石わかってらっしゃる!」と膝を打った。

映画評価基準

この映画が好きか 9
没入感 9
脚本 8
映像 8
キャスト 10
感情移入度 9
音楽 10
余韻 9
おすすめ度 8
何度も観たくなるか 9

計89点