ティム・バートン監督によるリ・イマジネーション作品。
名義貸しを疑いたくなる程、バートン味は薄く、オリジナル版のようなメッセージ性も無い凡庸な内容。たった一人の人間が猿の惑星に革命を起こすという安易な英雄譚に成り下がってしまっていて、全く猿の惑星っぽくない。
オリジナル版なんて過去の人類に知性があったと証明するだけで精一杯だったのに…(しかもその証明も揉み消される)
というか、4足歩行したり、キー!と猿っぽい声を上げたり、オリジナル版よりエイプ達の猿要素が強めだから、あまり知能が高くないように見えるし、人間は人間で普通に喋るから、猿が人間を虐げているという設定が飲み込みづらい。
セード将軍が何の躊躇いも無く猿を殺して、しかもその事が完全に不問にされてるのも納得できない。
すぐ同族殺しを始めてしまう人間よりも「猿は猿を殺さず」という不変の法があるエイプの方が優れているという設定だったのに、戦いにも猿殺しにも躊躇が無いなら、この世界の人間とエイプの違いは何?と思ってしまった。人間を野蛮だ野蛮だと言うけど、それ以前にエイプが野蛮過ぎる。
「猿が人間を支配している」という設定ばかり先行して、何故そんな世界になってしまったのかという部分が考えられていない。
オチは驚き!というより…よく分からん…
せっかく猿の惑星やるんだからと、オチを衝撃的にしたかったんだろうけど、こんな後味悪いだけのよく分からん終わり方にするくらいなら、あの星に残る選択をして終わりで良かった。
猿の惑星とは別物として観れば、平凡なアクション映画としてまだ楽しめるんじゃなかろうかと思う。
人間のヒロインが美しくてエロいのが唯一の救いだった。
映画評価基準
この映画が好きか 5
没入感 6
脚本 6
演出 6
映像 7
キャスト 8
音楽 5
余韻 2
おすすめ度 4
何度も観たくなるか 3
計52点