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ミッドナイト・スカイの一人旅のネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ジョージ・クルーニー監督作。

アメリカの女性作家:リリー・ブルックス=ダルトンによる2016年発表の処女小説「Good Morning,Midnight(世界の終わりの天文台)」を、俳優業のみならず監督業も定期的にこなしているジョージ・クルーニーが映画化したSFドラマで、本作はNetflixオリジナル映画となっています。

滅亡が近づいた地球の北極圏にある基地で一人の少女と最期のときを過ごしている孤独な科学者:オーガスティンと、現在の地球の状況を知らないまま惑星探査の任務に当たっている身重の女性宇宙飛行士:サリーの姿を描いたSFドラマで、やがて交信に成功した両者の意外な関係性とそれぞれが辿る運命を、北極圏の基地から遠く離れた測候所に向かう科学者の動向と、宇宙船への流星群衝突事故に他のクルー達と共に対応する飛行士の動向を交互にしつつ描いていきます。

滅亡間近の地球に残る老科学者と人類の未来を託された女性宇宙飛行士の姿を死と生の対比の中に見せていくSFドラマとなっていて、主人公の科学者の内に秘めた悔悟と愛情が静かに溢れ出るクライマックスの最終交信は胸に迫るものがあります。また、アクシデントに対応するために行う船外活動を始めとした宇宙空間の描写では、ジョージ・クルーニー自身が過去に出演した『ゼロ・グラビティ』(13)での経験や知識が活かされていることも分かります。

監督のジョージ・クルーニーが主人公の孤独な科学者を口髭を凍らせながら力演していますし、相手役のフェリシティ・ジョーンズも地球の人々とは対照的に力強く生を見出していく宇宙飛行士を好演しています。音楽はアレクサンドル・デスプラ。
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