トーマシン・マッケンジーが観たくて!!
そして今作を観るならやっぱり夏でしょうということで、選ばれたのはOLD!
アナミカリゾートを訪れた一家。リゾートの支配人より、「特別にご招待します」と耳打ちされ、案内されたプライベートビーチ。
そこは社会と隔絶され、自然を心の底から満喫できる美しいビーチ。平穏な余暇が過ごせるはずだった。あんな秘密さえ無ければ!
以下、ネタバレを含みます。
監督がM・ナイト・シャマランということで、当然私たちは構える訳だが、序盤からキャラクターの設定や、このビーチの設定をクサイほど丁寧に解説していく展開に、「そういうスタンスで観ていいってことね」と許可が降りたような奇妙な実感があった。
どんでん返しのために貼られていく伏線と、「時間」というテーマを交互に織り込んでいきながらストーリーは進む。
異常な速度で時が流れるこの空間では、若者は爆発的に成長し、大人達は弱々しく老化の一途を辿る。どうやら、生きた細胞に関して、その加速は止まらないようだ。
肉体と精神の成長が釣り合わない子供達の戸惑いはこんな会話に表れる。
「(整理する)時間をちょうだい。」
「時間が無いの。」
そして、このビーチの謎はキャラクターのアクションによって少しずつ暴かれていくのだが、それは同時にこのビーチに限定されていくことでもあり、可能性の検証でもあった。
彼らが何らかの実験材料にされていることは確かなのに、その目的が、意図が見えてこない、、、。
また一人、また一人とビーチは命を奪っていく。
そして、このビーチを遠くから監視するものは対象の全滅を目視し、73番目の実験の終了を誰かに伝える。
そう、全ての黒幕はウォーレン製薬。超速的にその薬の有用性と危険性について検証するため、治験モニターとして彼らを強制的にビーチへと招待していた。これが今回シャマランが仕掛けたどんでん返し。
確かに、一番賢いビーチの使い方だと思うけれど、映画としてあまりに真っ直ぐな結末。
余韻がほぼ残らない、あっけない終わり方。
とても丁寧で、設定の活かし方も、起こりうる恐怖の描写も面白かったけれど、なんというかSFスリラーのお手本という感じで、良かった!ともイマイチだったともならないようなそんな作品。
あ、多分黒幕のウォーレン製薬の行為が、時代さえ見逃していれば、大正義になり得たからかもね、、