しん

戦車闘争のしんのレビュー・感想・評価

戦車闘争(2020年製作の映画)
2.8
様々な視点から1972年当時の相模原における戦車闘争像が浮かび上がるドキュメンタリーで、とても面白かったです。
とりわけ前半の部分で、当時実際の闘争にベ平連や機動隊、運輸会社の人間、商店街の人など様々な立場から関わった人々が、自分たちが見た戦車闘争(暴動に見えた人もいたようです)を語っているのは、一つの社会運動が様々な見え方をすることを如実に表しており、見ごたえがありました。

後半は憲法9条論や日米安保論と結びつけての語りが増えてきて、個人的にはすこし物足りなかったです。もちろん現代の日米関係に敷衍する意味は大きいですし、その意図もわかるのですが、もう少し戦車闘争の前後が見たかったなと。

少し文句を書きましたが、相模原の街から、ほぼ消え去ってしまった戦車闘争とベトナム戦争の記憶を呼び起こす意味で、大変意味のある映画だったと思います。
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