Yellowman

林檎とポラロイドのYellowmanのレビュー・感想・評価

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
3.2
記憶喪失になる病が流行中の近未来の設定の世界で、主人公の男は、バスの終点で、寝てる所を起こされ、運転手に尋ねられるが、自分がどこから来たのか、どこへ向かおうとしていたのか、答えられず、そのまま病院へ。
寡黙な40代ぐらいの主人公は、病院からあるプログラムを実行する代わりに、アパートと生活費が支給された。

ギリシャ映画特有のアート系のデフォルトで、物語というよりは、淡々としたドキュメンタリーを観させられているような気分になる。病院側からの指示が毎回、カセットテープで、送られて来て、「自転車に乗ること」「仮装パーティーで友達を作れ」などなど。そして、ポラロイドカメラで記録を残すことまでがミッション。次第にミッションは、エスカレートして行く。全く感情が読めない主人公なので、物語の起伏は、無いに等しい。オチ待ちかーと思った矢先、あるミッションの途中で、主人公が自分の感情をさらけ出す場面が。

どこかで、記憶がよみがえったのか、最初から記憶喪失のフリをしていた?などなど、もういっぺん観たら考察して見たい気もするが
ただでさえ、近未来設定のはずが、ポラロイドにカセットテープ。監督の様式美なのか、デジタルへのアンチテーゼなのか、知らんが、良く出来たアート映画に落とし込みたい感が拭えない。が、刺さる人には、刺さる映画である事には、間違いない。
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