ローレン・バコールという魅惑の女をこれでもかってくらい食らわせていただきまして……のめまい 当時19歳、雑誌の表紙を飾った姿がホークスの妻の目に留まり本作でデビュー もともとは早口の鼻声だったところをホークスの指導により特徴的なスモーキーな低音ボイスを身につけ、また震えを抑えるため偶然生まれた上目遣いの目線は後にザ・ルックと呼ばれ観衆を魅力する そして今作をきっかけに翌年にはボガートと結婚(出会ったときボガートは3人目の妻と結婚していた) 死が二人を分つまで寄り添った 25歳年下の妻をボガートは生涯キッドあるいはベイビーと呼んだ てもう映画すぎてお腹いっぱいだ
プロット自体はほぼカサブランカで行き止まりの地で行ったり来たりの繰り返し、そんなに魅力的とは思わないのだけど、バコール演じるスリムの美貌と官能と素晴らしき三白眼ツンデレ幼なじみ属性とですっかりメロメロになってしまう 流れるようにたばこに火をつけ、財布を盗み、ワインを調達し、好きな男に届けにくる愛らしい子猫 男と女のにじり寄りつつの行ったり来たり演出が冴えすぎてぽやぽやしてしまう
その一方で相変わらずの猛獣スペクタクル(今回はカジキ釣り!)に、ウォルターブレナン演じるアル中の相棒とホークス印のアイコンもしれっと入り込んでて、そのテカテカに光るホークスの指紋が作品に愛される隙を与えてるところもいい やれやれ主人公ボガートと、ツンデレからのデレデレヒロインバコールと、よちよちアル中のブレナンが3人仲良くレストランを出ていってthe endなのも微笑ましい かっこつけとほっこりのバランス感覚ったら