前作の無茶苦茶さはそのままだな。でも今回はそれに加えてなんと映画的に面白い。父と娘の話として、あろうことか普通に泣ける。
現実的にもボラット、サシャバロン自体が顔バレしているので、娘役を設定せざるを得なかったという瓢箪から駒もあるはず。
映画として面白くなったといえば「ユージュアルサスペクツ」さながらの不必要な展開もあったりして。もっともまともな映画にしようとしているところがまたおかしいのだが。
大統領選投票日の2週間前での公開。問題になっているイシューは全て網羅している。人種差別。人工中絶、陰謀論、コロナ対策、銃規制、ミソジニー。考えてみればかなり大掛かりな、これは選挙運動だ。
唯一よくわからなかった対象として、最後に出てくるカレンの存在だが、過激な白人のトランプ支持女性を“カレン”と呼んでちゃかすらしい。あとはこの選挙戦ではおなじみのメンバー。ペンスもジュリアーニも、キリスト教原理主義者のおばさん、共和党支持者のおじさん、災難でしたね。
あと美容整形のお医者さん。何気に一番被害が大きいのでは。