クリーム

COME & GO カム・アンド・ゴーのクリームのレビュー・感想・評価

3.8
ただの群像劇なんだけど、私の知らない世界過ぎて、目が離せなかった。様々な人種の人々が繰り広げるストーリーは、驚きや辛さ、悲しみ、面白み盛り沢山。日本人として考えさせられる部分もあったし、面白かった。長いけどあっという間でした。
通称「キタ」と呼ばれる大阪の繁華街で生きるアジア人たちの人生を描く。アパートの一室で白骨化した老女の死体が発見され、警察は捜査を開始。そして、捜査が終わるまでの間を切り取ったストーリー。その間、中国・台湾・韓国の観光客、マレーシアのビジネスマン、ネパールの難民、ミャンマー人留学生、ベトナム人技能実習生など、キタにやってきた外国人達と、彼らと関わる日本人達に起きる出来事を淡々と綴る群像劇。




ネタバレ↓




台湾と中国、韓国。皆、日本のAV女優が大好き。アダルトグッズ販売店でAV女優のサイン会に参加したり、AVを買ったり、頭の中はそればっかりの台湾人。中国人観光客のおじさんもエロマッサージと勘違いして逆ギレしてた。エロで仲良くなる2人。何ともシュール。
スカウトされて、危うくAV出演させられる所だった日本人の女は、キャバクラへ行くも使い物にならず追い出され、マレーシアのビジネスマンに助けられる。日本人も地方出身者は孤独を抱えている。
韓国人女性に水商売で稼がせる韓国人の斡旋男。
日本人の妻子がいる中国人は、観光客相手の仕事をしている。
学費を払うためにバイトを掛け持ちしてるミミちゃんにセクハラする日本人の店長は許せん!
母の病気で帰国したかったが、許されなかったベトナム人は、逃げ出した。
日本人学校の先生は、元教え子のネパール人の彼氏がいる。が、結局、お金が欲しくて付き合ってたネパール人。やすこさんは金づる。夫は刑事(千原のせいじ)。夫に見つかり、夫はぶちギレ。
キャスト同士はすれ違い、交差し、少し触れ合っては、分かれていく。 大阪だけでなく、今の日本って、こんな感じなのかも知れない。アジアの国々から来た人々は、どこか蚊帳の外。孤立してたり、小さなコミュニティの中にいて、日本人に受け入れて貰えない。また、外国人同士でも互いに交わることもない。 知らなかった現状を覗き見した様な作品で、興味深かった。深刻な問題も含まれてるけど、敢えて深掘りせず、進んで行くので、気楽に楽しめました。
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