このレビューはネタバレを含みます
かなりよかった…
実話ベースのお話で、
正直ストーリーはありきたりな感じもしますが、
演技が素晴らしかったのと、冒頭とラストの演出がとてもよかったです。
主人公の水青は継母にいじめられ家に居場所がない高校生。
実の母親に捨てられてもなお憎まず、自由気ままに生きる母親に憧れている。
息の詰まるような日々の中で、突然母親が帰ってくる。
長年連絡さえもしてこない母親でも彼女にとってはすべてが眩しく美しく映る。彼女にとって救いに思えた。
水青の友達である马悦悦と金熙もそれぞれ家庭に問題を抱える同級生。
父親に束縛され自由がない马悦悦と
お金持ちだけど親から愛に飢える金熙。
4人のドライブシーンはこの映画の中で唯一きらきらして希望にあふれていたシーンだと思う。
それぞれの本音と告白。
トンネルを抜けたら理想の時にいける、
そんな迷信を信じて。
多額の借金でヤクザに追われ命が危ない母親を救おうと水青は無謀な計画を立てる。
最初はぼんやりして弱そうな彼女の顔つきがみるみる変わっていく。
金熙に放送を強要されたシーンは彼女のそんな決意がひしひしと伝わるものだった。
母親のためなら何もかも捨て親友さえも裏切る、そんな決意を秘めた強い眼差し。
ラストのトンネルを走るシーン
何もかも夢だったら…
なんとも切ない終わりでした。
お母さん役を演じていた万茜さん、初めてですが、タイプ過ぎるお顔。
終始うっとりでした。
洗練された美しさの中に色気と危うさが漂う。
舞台での生活、小指の怪我、黄色の車、シャネルのバッグ。
何かから逃げてきたであろう彼女の危うい美しさを際立たせていた。