lp

ティティのlpのレビュー・感想・評価

ティティ(2020年製作の映画)
3.5
東京国際映画祭にて鑑賞。

TOKYOプレミア2020より『二階堂家物語』のアイダ・パナハンデ監督の新作。イラン映画の『ティティ』。
昨年の『ジャスト6.5』や『50人の宣誓』を筆頭に、例年東京国際映画祭で上映されるイラン映画には面白い作品が多いので、今作も迷わず鑑賞。
正直なところそこまで期待値は高くなかったですが、予想を上回る良作でした。

病院の清掃係であるロマの女性「ティティ」を巡る物語。彼女は入院している物理学者の男と知り合う。ある日、男の容態が急変した際に、彼のメモ書きをティティが預かったことからドラマが動き出す。
大きな事件は起こらないけれども、ティティと物理学者の各々の家族や生活環境といったバックグラウンドも絡み、ストーリーは淡々と紡がれる。「メモ書き」を巡る顛末が観客の興味を惹き付けるフックとなり、最後まで飽きることは無し。静かなドラマながら、自然と惹き付けられた。
ラストの着地も上々なもので美しい。

期待以上の良作でした。
東京国際映画祭での上映は終わってしまいましたが、観られる機会があればぜひ。
lp

lp