このレビューはネタバレを含みます
デニス・ホッパーが素晴らしい。
なにか不穏な空気をまとっているのに、友情が欲しいと言い、それから終わりの表情。
手許においていつでも鑑賞できるようにしておきたい作品。
2023年10月1日、再鑑賞。
ふと観たくなってなかばBGVのようにつらつらと眺めていたのだがやっぱりどうしょうもなく好きで、作品の内容であるとか展開であるとかいうよりも、とにかくこの映画の空気感、寂寥感とデニス・ホッパーの存在がすべてだと思う。
某氏の評で、原作にえがかれたところの同性愛性にきづかないヴェンダースの鈍感さが云々という話なんて、この作品の前ではどうだっていい。これは『アメリカの友人』という映画である。リプリーという男の孤独に焦点をあてている。
原作シリーズはひじょうにゆっくり読み進めているから、当該作にはまだ手を付けていないけれど、たぶん原作とは乖離している部分もあるだろう。けど、それすら問題がない。
このときのデニス・ホッパーは完璧な外見だと思う。
たいせつに、たいせつに、たいせつに、胸にとどめておきたい。不穏な音楽もすばらしい。