ラグナロクの足音

私は決して泣かないのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

私は決して泣かない(2020年製作の映画)
3.9
国際映画祭10本目。またもや"人探し"の話。今年の傾向といってもいい。ポーランドの団地住まいの17歳の少女は短気な性格から自動車免許がなかなかとれず、お金もないため買いたい車もなかなか手に入らない。家族の貧乏具合を嘆いていた。そこにアイルランドへ出稼ぎにいっている父親の訃報が舞い込んでくる。母親に頼まれ父親の身柄を持って帰る旅が始まるが、保険金は下りず葬儀屋にも破格な値段を請求され万事休すに。そして道中にそもそも自分が父親について何も知らないことを知り、父親と時間をともにした人々との交流を通してその肖像を掴んでいく。ラストに父親から送られた金で車を買おうとするシーンは感極まるなー。カトリックの戒律を無視して火葬してしまった父親の遺骨と霊柩車でドライブするところもかなりのカタルシス演出。初監督とは思えない出来であった。主演のゾファアちゃんはきっとハリウッド行くだろうなー。将来に期待。
ラグナロクの足音

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