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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-のhinanoのレビュー・感想・評価

3.7
イェール大学に通うJ.D.は、将来に繋がる大切な食事会の最中に母が倒れたとの報せを受ける。彼は急遽帰郷をするのだが、、、

ニューヨーク・タイムズのベストセラーを原作とした実話に基づく作品。

J.D.の視点で紡がれる家族の物語。
母親のベヴが情緒不安定な上いわゆる毒親で、子ども心を想うと辛くなっちゃうシーンがいくつもあったな‥

どこまでが実話なのかは分からないけれど、過去の出来事を客観的に捉えること=セラピーの要素も感じられた。

家族の縁って切っても切れなくて、どれだけ苦しめ合ったとしても簡単に見捨てることはできなくって。その辛さを他人に説明しようにも理解され難いし、何より幼少期に抱えた傷って癒えるまでに本当に時間がかかる。もしかしたら一生癒えない人だっているのかも。人間関係でいちばん難しいのは家族関係だなあって心底思う。

自分も親になったから許してあげようと思う、みたいな意味のJ.D.の姉リンジーの言葉が印象的。毒親に育てられたからこそ子育てに自信が持てない、自分の子どもが欲しくないって人と、毒親に育てられたけど自分の家族が欲しいって人の大きな違いって何なんだろうなあ。。
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