前に見たときはオールタイムベストだと思ったんだが……。トリュフォーは個人的に体感時間が長めの作風だが本作は小エピソードのツギハギのため余計にそれを感じる。子どもが楽しそうに演じてるし笑いどころもそれなりにあるし微笑ましいのだが、ずっとほんのりいい雰囲気が漂うだけで決定的に面白い何かがあるわけではない。拡声器娘やカツアゲ散髪兄弟など面白いキャラはいるのだが各エピソードが散漫なためうまくノッていけなかった。
時折いいカメラワークはあるが全体的にけっこう味気のない淡々とした絵面が続く中、終盤の虐待発覚〜逮捕までのカメラの躍動感だけが異常に際立ってた。その後の先生のスピーチが説教臭くもあるが……トリュフォーからの説教だと思えば悪くない。"生きるのはつらいが人生は美しい"。このスピーチのおかげでいいもん見たなぁと思えるからやっぱり好きだな。あと反則級の可愛さグレゴリー坊やと劇中劇の口笛男もよかった。
それではみなさん、いい夏休みを