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私は確信するの一人旅のレビュー・感想・評価

私は確信する(2018年製作の映画)
3.0
アントワーヌ・ランボー監督作。

2000年にフランスで実際に起こった未解決事件“ヴィギエ事件”の映画化で、妻殺害の容疑で起訴された男の弁護に当たる弁護士とその助手を買って出たシングルマザーのヒロインの奮闘を描きます。

本作は、“ヒッチコック狂の完全犯罪”とセンセーショナルに報じられた実在の事件を基にした法廷サスペンスとなっていて、子どもたちを残して消息を絶った妻を殺害した容疑で起訴された大学教授の被告を巡る裁判のゆくえを、当被告の弁護を担当することとなった敏腕弁護士&被告家族と交流のあったシングルマザーのヒロインの視点により描き出していきます。

アンドレ・カイヤットの『裁きは終りぬ』(50)のように、確固たる証拠が提示されない状況の中、人が人を精確に裁くことの難しさが浮き彫りにされる骨太な法廷サスペンスに仕上がっていますし、フランスの陪審員制度や“推定無罪”の原理原則など勉強になる社会派の力作であります。
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