26歳、最後に劇場でみるの何にしようかなと迷ったが、コクトーづいてるのでこれにする。
無機質な空間で映える赤いドレス！ますますボウイ的アンドロギュノスな美輝くティルダの存在感。美しい発音。
コクトーの原作戯曲、当時では、絡み合うコードうんぬん、固定電話がセックスの機械として艶かしかったが、当然現代ではスマホが主流で、首を締め付けるようなこともなく、AirPodsがおかしく映る。一人で喋る女の「声」もますます孤独で、そこの官能性は激減している。引き裂かれるような欲望と官能はもう生きておらず、ただ無情に燃え上がるそれが直接的で、なんだか寂しい。
湿る斧のやり場はどこに？姿ない男の、忘れていったスーツに。
でも面白かった！
