WOWOW on demand 鑑賞
“今後は実用的な女になるつもり“
ティルダとワンコの一人(➕1匹)芝居が圧巻♪♪♪
短編なのに濃密で楽しめる不思議な作品。
スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督が、ジャン・コクトーの戯曲「人間の声」を独自に翻案映画化。
恋人に去られた女性役でティルダ・スウィントンが圧巻のひとり芝居を披露する短編。
原題 『La voz humana』
2020年スペイン作品31分
監督・脚本 ペドロ・アルモドバル
製作 アグスティン・アルモドバル エステル・ガルシア
音楽 アルベルト・イグレシアス
撮影 ホセ・ルイス・アルカイネ
出演 ティルダ・スウィントン
(WOWOW番組内容より)
愛する恋人が別れを告げて出ていき、彼が置いていったスーツケースと愛犬とともに、部屋にぽつんと取り残されたひとりの女優(スウィントン)。
孤独や苦悩にさいなまれながら彼の帰りを3日間空しく待ち続け、一度外出した際に買って帰ったおので彼の衣服をメッタ切りにして怒りを発散させているところへ、ようやく彼から電話がかかってくる。
はやる気持ちをどうにか抑えて彼と会話をする彼女だったが、次第に感情をあらわにするようになり……。
(WOWOW解説より)
20世紀を代表するマルチ芸術家コクトーが、恋人から別れを告げられた女性の心情を電話口での独白を通じて痛切に描いた、1930年初演の傑作戯曲「人間の声」。 過去にも映画化された例があり、「欲望の法則」などでそれを部分的に試みた経験のあるアルモドバル監督が、今回改めてコクトーの原作を自在に翻案映画化。
話題作への出演が相次ぐ屈指の名女優スウィントンが、恋人に去られたヒロインの孤独や苦悩、絶望、怒りなどを幅広い演技力で巧みに演じ分け、圧巻のひとり芝居を披露。濃密な傑作短編に仕上がった。
オープニングとエンドロールがカラフル🎵
色使いや手作り感がウェス・アンダーソンっぽい⁈
ジャケ写でも出てる、フォントに工具類を使ってる理由は途中で判明。
舞台用語で使われる”第四の壁”
”このセットの様な部屋の裏側の木組みは、いわばフィクショナルなものが持つ物質的なリアリティなのだ。“
と語っている。
(作品HP 監督インタビューより)
映画の大道具で使うツール類⁈
エンドロールでその工具たちがそれぞれ主張しているところがシュールで好き。
主人公の女性(名前なし)を演じるティルダ・スウィントンがほぼ、1人舞台の演技‼️
途中、ホームセンターに斧を買いに行くところで、他の人も登場するが。
出演はティルダとワンコのみ。
そして、早めに明らかになる、映画セット⁈
ということは、ティルダは女優役⁇
部屋の上方からティルダを捉えたカットは、もはや箱庭的な描写。
振られた彼氏がスーツケースをとりに来るのを待ち、彼好みの衣装を取っ替え引っ替え着替えるティルダは、何着ても似合う人♪♪♪
最後、決心した表情と、革ジャンに着替えたティルダがカッコいい‼️
そして、ワイルドな佇まいと、呆気に取られる行動⁇⁇
そしてワンちゃん(ダッシュ)を引き連れ、颯爽と出ていくティルダは、現代の女性たちを投影したヒーローに見える。
”ダッシュ(犬の名)、これから私が新しい飼い主よ!
だから、慣れてもらわなきゃ、
一緒に彼を弔って行かなきゃ、いい⁈
どう? 協定を結べそう?”
色々と想像を掻き立てられる短編。