たも

セブンのたものネタバレレビュー・内容・結末

セブン(1995年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

犯人の企みが達成されるラストシーンには脱帽した
ヒューマンドラマではないのにこんなにも心に訴えかけるシナリオを創造できるのが羨ましい

ブラピの表情で最後は殺してしまうんだろうな、と思えるくらい演技が超上手い
犯人が犯行を行ってるところをシーンに含めないのが救いになってる。
一つ一つのシーンの音楽がマッチしてる。音楽なんて気にならないオレですら分かるんだから、凄くいいはず。
初めから最後まで不必要で要らないシーンがない上に全ての演技が今ここで起こってるかの様にリアルで見入ってしまった
娼婦を殺すときの男がなにをしたのかイマイチわからなかったが、あの男の怯え方。あんなの演技ではなく、実在してるようで知りたくもなくなった。

揺れる家や乳首を切り落とすの件は緊張をほぐす笑いもあるし、文句の付けようがないほどの最高傑作。
この事件が模範でなく、実在すれば間違いなく犯人はいつの世までも語り継がれるだろう。

 2020/12/20 2度目の鑑賞

 前回から4年と8ヶ月の歳月が経っているのにも関わらず、前回と同様に心を打たれた。最高に面白い。
 先が分かってるのに鳥肌が収まらなかった。特に小包を見た瞬間からラストにかけて。
 ブラピの表情が印象的で涙を誘うけど、一瞬妻の顔が写っているのに今回で気づいた。同監督のもう一つの傑作ファイトクラブの序盤(?)にヒロインが紛れてるシーンがあったけどデヴィッドフィンチャー監督はこの一瞬写すの気に入ってるのかな。他の作品でも探したくなった。(その後同監督ドラマシリーズのマインドハンターのOPでも確認)

 万人に勧められる訳でもないし当分見る気は起きないんだろうけど、きっとまた5年後くらいに観たくなるんだろうなあ
 それくらい心と記憶に刻まれる素晴らしい映画。

ーーヘミングウェイが書いていた
「この世は素晴らしい 戦う価値がある」と
 後の部分は賛成だーー
 この幕引きのセリフも素晴らしい。映画史に残る最高傑作。

 世の醜さと素晴らしさを知るからこそ、この最後に持ってくるセリフが成り立っていると思うし、この世界観にこの上なく相応しい。胸糞な気分に浸っていると逆に良いところもよく見える気がする。まるで光陰の様。美しい。
たも

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