安堵霊タラコフスキー

セブンの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.7
デヴィッド・フィンチャーの名を世に知らしめ、日本でも堤幸彦のようなフォロワーを多数生み出した傑作サイコサスペンス。

七つの大罪(seven deadly sins)に則って人間を殺していくヤバい奴とそいつに翻弄される警官を描いた作品だけど、死体の様子が一々エグいからそのイメージが強烈に残って軽くトラウマになる。(特に怠惰の罪で殺された男の姿は何度見ても戦慄もの)

映像表現もデヴィッド・リンチをクールにしたようなもので実に格好良く、リンチのツインピークスみたいな作品とはまた違った意味で新時代の臭いがする演出の数々は痺れるし(エンドロールすらクールってのがヤバい)、20年以上経った現在でも色褪せない迫力があった。

使用楽曲もnine inch nailsのcloserやdavid bowieのhearts filthy lesson等センスが感じられるものが多いが、nine inch nailsのトレント・レズナーもここから後に劇伴作曲家としてアカデミー賞を受賞するなんて思っても見なかったことだろう。

終盤に登場するサイコパスも奴が用意する罠もとても衝撃的で、ラストに衝撃を受ける作品はあってもこの衝撃を超えるものなんて中々考えられない。

それにしても同じブラッド・ピットが出演してる12モンキーズといいラストのネタばらしが凄いユージュアルサスペクツといい、世紀末という時代性もあってかこの頃は後味の悪くも良質なサスペンスが多かったように思える。